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院長の小泉です。2026年5月27日から30日まで、スペイン バルセロナで欧州肝臓学会(EASL Congress 2026)が開催されました。

私も日常診療で集積したデータを纏めて、発表をしてきました。
私は今回、中等度以上の飲酒を伴う脂肪性肝疾患(MetALD)に関するポスター発表を5月29日に行いました。

今回の学会は、全体で8524人(現地参加7767人+オンライン757人)、ポスター発表2149題、口演125題と多数の参加者と発表がありました。
日本からも100題を超える発表があったようです。

個人的に興味深かった内容としては、
1. Pemvidutide:MASH治療薬として注目
PemvidutideはGLP-1/グルカゴン受容体作動薬で、MASHに対する第2b相IMPACT試験48週データが「Best of EASL 2026」に選ばれています。発表内容としては、肝脂肪、線維化関連マーカー、体重、脂質、血圧など、肝臓病変だけでなく心血管代謝リスクも含めた改善が強調されています。
臨床的には、resmetirom以後のMASH治療で、肝組織改善+体重減少+心血管代謝リスク改善を同時に狙う薬剤として今後の動向が注目されます。
2. Bepirovirsen:B型肝炎治療のBepirovirsen後のfunctional cure持続性評価
過去のベピロビルセン臨床試験に参加し、治療反応を示した患者を対象とした長期追跡調査(前向き多施設共同試験)のB-Sure studyについての報告。
3. Volixibat:PSCの掻痒に対するIBAT阻害薬
VolixibatはIBAT阻害薬で、原発性硬化性胆管炎(PSC)の中等度〜重度掻痒に対するVISTAS試験結果がLate BreakerかつBest of EASLに選出されていました。PSCは根本治療が限られるため、掻痒というQOLに直結する症状への治療の選択肢となりうるかが注目されます。
4. Maralixibat:PFICのイベントフリー生存
進行性家族性肝内胆汁(PFIC)に対するmaralixibat治療例と未治療real-world dataを比較し、event-free survivalを評価した演題です。小児・希少胆汁うっ滞性疾患領域で、症状改善だけでなく長期アウトカムに踏み込んだ点が興味深い点です。
AIを用いた評価も徐々に研究が本格化してきていて、MASLD患者の肝細胞癌リスク予測AI・機械学習モデルもTOP posterに選ばれていました。
日本からのの演題発表の内容の特色としては、臨床実装に近いreal-world data、多施設cohort、非侵襲評価、肝癌surveillance、M2BPGiや日本特有の診療データを活かした解析が多い印象でした。

学会会場は、エコに気を遣っていて、ゴミ箱も再生紙段ボールで出来ていて、ゴミ箱自体の処分も考えられているのが良いなと思いました。

企業展示も沢山の人でにぎわっていました。
EASL 2027はロンドンで開催されるようです。最先端の知見に触れることが出来た学会期間でした。

